目次
メールマーケティングのゴール設計
メールマーケティングを行うにあたり最も重要なのが、
ゴール設定です。
「一体何を目的にメールマーケティングをやっていくのか」
メールマーケティングを始めるにあたっては、そこを最初に決めなければいけません。
目的とは、
「メールを配信することでどんな効果を期待しているか」
ということです。
それを明確にし、
その目的を実現するために、継続的な改善活動を行っていくことが、
メールマーケティングの最大のポイントなのです。
ゴール設定
メールマーケティングを実践するにあたってのゴールの設定方法について解説してきます。
ゴール=数値であること
先ずここでいう、ゴールというものは、数値で設定する必要があります。
「CS(顧客満足度)向上」「見込み客の創出」などを目的としている企業もある かと思います。
しかし、その場合でも数値がどのような状態になれば目的が達成されたのかという基準を作っておかなければ、
改善活動を行うことができません。
抽象的な目的も具体的なゴールに落とし込む
そのため、ゴールは、メール配信後に効果が測定できる数値を設定する必要があります。
一般的に
KGI(Key Goal Indicator)
と呼ばれるものです。
ゴールの設定例
以下は業種別のゴール設定の一例です。
ネットショップの場合:半年後に一回の配信で40件のリピート注文
コンサルティング会社の場合:半期で60件のセミナー申し込み
ソフトウェア企業の場合:年間で100件のデモアカウント発行
ゴールを設定する際には
・メール1配信あたりで設定する方法
・ある期間内での合計で設定する方法
があります。
どちらがよい、ということはありませんが、
メールマーケティングに限らず、改善活動の成果は 基本的には緩やかな右肩上がりで出るものですので、
ある程度の期間で設定するほうがいいでしょう。
ゴールまでの道筋を分解する
ゴールを設定したら、次は、そのゴールを達成するまでの道筋を分解します。
例えば、上述したネットショップの例ではゴールを
「1回の配信で40件のリピート注文」
としました。
このゴールを達成するために、メルマガの読者に行ってほしい行動を分解すると以下のような流れになります。
1.購入時に「メルマガを受け取る」にチェックを入れる
2.メルマガを受信する
3.受信したメールを開封する
4.開封したメールの中にある商品案内のURLをクリックする
5.遷移後のページ内の商品をカゴに入れる
6.注文する
この1~6までの流れが、1回の配信で、40名の人に行われれば目標を達成できるということになります。
各ステップの実情を知る
次に先ほど分解した各ステップの実情を計測します。
利用しているシステムによっては計測できない部分もあるかもしれません。
その場合は、まずは計測できるところだけでも取ってみましょう。
今回は、計測できるところだけ計測をしてみたら以下のようになったとします。
1.購入時にメルマガを受け取るにチェックを入れた人(全購入者の50%)
2.メルマガを受信した人
3.受信したメールを開封した人(メルマガ購読者の15%)
4.開封したメールの中にある商品案内のURLをクリックする(開封した人の10%)
5.遷移後のページ内の商品をカゴに入れる(クリックした人の30%)
6.注文をする(カゴに入れた人の90%)
仮に全購入者が10,000人だった場合、
1から6までの流れを経て最終的に残ったの は20人になります。
とするとゴール(40件)を達成するには、現状からちょうど2倍の成果を出す必要がある、とわかります。
各ステップのKPIを設定する
ゴールのことをKGIと言いましたが、
そのKGIを達成するための各要素のことを
KPI(Key Performance Indicator)
と言います。
ゴールを達成するために、ユーザに行ってほしい行動を分解しましたが、これは各要素にKPIを設定するためです。
ゴールを達成するためにはいまの2倍の成果を出す必要があります。
単純に計算すれば、
全購入者数を今の2倍の20,000人にする、
もしくはメール文中のURLをクリックする人を今の2倍にすれば、
達成ができます。
ただ、いきなりどこかの数字を目的の二倍にする、というのは現実的ではないでしょう。
1つの要素だけで目標を達成しようとするのは、非常に困難です。
そのため、各要素を少しずつ改善することで、目標達成を目指します。
1.購入時にメルマガを受け取るにチェックを入れた人(全購入者の50%→55%)
2.メルマガを受信した人
3.受信したメールを開封した人(メルマガ購読者の15%→20%)
4.開封したメールの中にある商品案内のURLをクリックする(開封した人の10%→15%)
5.遷移後のページ内の商品をカゴに入れる(クリックした人の30%→35%)
6.注文をする(かごに入れた人の90%→そのまま)
上記の要素のうち、6についてはすでに高い成績なので、
それ以外の各要素を 5%増加させることをKPIとして設定しました。
5%? と思うかもしれませんが、
仮にこれがすべて達成された場合、最終的に注文をする人は52人となり、
目標を大きくクリアすることができます。
各KPIに対して改善活動を行う
KGIを決め、各要素のKPIを設定したら、
その数値を達成できるように改善活動を実施します。
以下、改善活動の例となります。
メルマガの読者増のための活動
どうすればメルマガ読者を増やせるのか?
そのメルマガの読者を増やすために重要なのが、メルマガを受け取ることで得られる便益を明確などです。
たとえば、
「メルマガに登録いただくと、セール情報を一足お先にお知らせします」
また
「お誕生月には特別な割引クーポンをお送りします」
などといったようなことです。
メールの開封数を増やすための活動
メールの開封数を増やすためには、メールの件名の工夫が必要です。
件名に、メールの内容を具体的に書くことで開封率の向上が見込めます。
URLのクリック数を増やすための活動
メール文中のURLのクリック数を増やすためには、URLの位置を工夫します。
メルマガの文章は上から下に行くほど読まれる可能性が下がりますので、
なるべく上のほうにURLを持っていくことでクリック率の向上が見込めます。
カゴに入れる数を増やすための活動
カゴに入れる可能性を高めるためには、
遷移前のメールのデザインと文体を遷移後のページのデザインと文体で合わせることが重要です。
メールをホームページへの入り口として考え、
デザインと文体を統一することで、訪問者の期待を裏切らないようにします。
これらの改善活動はあくまで一例ですが、
メールマーケティングのテクニックとしては非常に基本的な部分でもあります。
KPIをチェックし改善する
改善活動を行ってメールを配信したら、
各要素に設定したKPIとどれほどの差異があるか結果を確認します。
想定したKPIに全く達していない場合は、
活動内容が大きくずれている可能性が ありますので、
再度改善活動を行います。
この改善活動を繰り返していくことで、徐々にゴールへ近づけていきます。
数字を見る際の注意点
配信結果はリストのセグメントの仕方や配信タイミングにより、ある程度の上下します。
そのため、狙って大きく改善したということでなければ、
配信結果についてのごくわずかな数%の違いで一喜一憂しないほうがいいでしょう。
まとめ
メールマーケティングで重要なのは、ゴールを数値で設定することです。
ゴールを具体的な数値にすることで、達成までのプロセスも具体的になるのです。
そして、その指標の改善活動を行っていくことが、大切です。
メールマーケティングは他のマーケティング施策と異なり、
高額な予算をかけず、継続的に効果が見込める施策となっています。
プロセスの改善自体を、担当者の力だけでできることがメールマーケティングの大きな特徴です。
工夫次第で大きな成果が期待できます。
ぜひ、メールマーケティングの実践から自社の成功パターンを見つけてください。